STCをはじめたことで、「健康」ということについて考えをまとめようと、この数日調べものをしていましたが、なかなか形にできませんでした。
たまたまみた昨日の読売新聞朝刊紙上に「健康寿命」という、はじめて目にする言葉がありました。
かんたんにいうと、介護状態にならずに生きた寿命ということで、いままでの平均寿命にQOL(Quality of Life 「生活の質」)という考えを加味した概念です。
その記事に拠ると、日本では「自分を健康だと感じている」ひとの割合は3割強に過ぎず、OECD(経済協力開発機構)に加盟している先進30カ国のなかで最下位なのですが、実際の健康寿命は75歳と、同機構の加盟国のなかでは1位だそうです。
昨今、特定健診をはじめとして、従来の健康診断よりも指標が厳しくなったために健診結果でひっかかったひとも増えていることと思います。そんな例でも、自分の健康状態に不安を覚えるのは自然といえますが、それとともに、人生を楽しんだり、充実している、と感じているひとが欧米諸国の国民に較べて日本人のほうが少ないのかもしれないな、とも感じる記事でした。
自殺者が3万人を超えている原因と同じ根をもっているのかもしれないとも推測できます。
いうまでもなく、健康というのは一時の状態であり、ずっとその状態が続くわけではありません。人間は「死ぬ」運命にあるわけですから、いつかはだれもが必ず健康を害するときが来るわけです。
だからこそ、健康なうちに明日の健康のためのちょっとした準備を日々しておくというのは大切だと思います。
逆に、いま健康でないひとが今日なにかを準備しておくことで明日の健康を手に入れることもできます。たとえ病気や障害がある方でもその状況をその方なりの方法で咀嚼したり克服したりして、充実した生活をされている姿を見る機会も増えました。
明日の健康のために行う準備のひとつとして「いま生きていることを楽しむ」ことをこころがけたいものです。
私たちも生きている喜びを実感できるひとつの方法として、自分のからだを使って自然と親しむ活動をご提案します。
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写真は夏の朝、和歌山県・古座川で石切りをする地元の川漁師・東さんとそれを見つめる奥様、キャンプ中の子どもたち。「子どもの頃からずっとこの川で遊ばせてもらった」という言葉にたいへん感銘を受けました。世代を超えて伝わっていくものが、いまここにあると実感したとき。