奥多摩備忘録 その2 秋はみんなで柿をとろう。

東京都のなかで、もっとも標高が高い場所にある集落。
それが奥多摩町峰谷(みねたに)集落です。標高600mから900mにわたって、およそ数十世帯の方々が暮らしています。

集落では高齢化が進んで、昔ならばたいせつな冬越えの食糧のひとつだった柿の実が実っても高い枝と急傾斜に阻まれて落とすことができなくなり、熟した柿をクマが狙って里に下りてくる、という危ない状況を生み出す原因になっています。

クマにとっても山中で食糧不足とはいえ、里に下りてくれば捕獲されたり、撃たれたりする恐れがあり、ひととクマの双方にとって悲劇的な結果になりかねません。

そこで、11月中旬くらいに峰谷集落で柿の実がたわわに実ったら、私たちが行って、柿の実を落としにいこうじゃないか!という話を奥多摩町と進めています。

もともと奥多摩町がテコ入れして、2002年から4年にわたってひろく募集をかけて実施していましたが、予算などの関係でこの6、7年間くらいは実施されていませんでした。

そのあいだ、秋になればもちろん柿が実るのは「待ったなし!」
サルが山から下りてきて熟した柿の実を全部とっていったので、クマは下りて来なかったという年もありましたが、昨年は集落にクマが下りてきてひと騒ぎになったらしいです。


だから、今度は奥多摩町にサポートをしていただきながらも、たとえば路線バスと徒歩1時間をあわせて集落にいくなど、町の予算がなくても活動を継続できる提案をして、受け入れていただきました。
落とした柿の実は、皮をむいて干し柿にしましょう。
もちろん、できた干し柿は後日みなさんのおてもとへ。

今秋11月の実施に向けて、ゆっくりと準備を進めていきます。

みなさんが柿落としと干し柿づくりにいそしんで楽しんでいただくことが、集落の方々の安全を守り、ひいてはクマの生態を守るという、このエコで楽しい催し、ごいっしょしてくださいませんか? 

現地までの徒歩では紅葉のなかで秋の小ハイクを楽しめますし、なにしろ急傾斜地での慣れない作業で、きっと終日いい汗と冷や汗の両方をかくことができますよ。