伊豆大島の気づかれざる魅力。

伊豆大島には日本の原風景があります。
名産の椿の木をふんだんに使った古い建物。
こうした建物も活用すれば豊かな財産になります。
すてきな扉。なかで薪ストーブが焚かれていたらいいなあ。 
伊豆大島は、けっこう辛党ごのみの島。
島料理にも使われています。
こうした光景にホスピタリティが寄り添うと、新しい風が吹くのでは?


9/25から27日にかけて、伊豆大島に行ってきました。

今年2月に行った「伊豆大島サイクリングキャンプ」は、平成20年にはじめてから4回連続している、自分もダイスキな活動のひとつ。

毎回、その活動で自転車を借りている丸久レンタサイクルの白井民子さんから提案を受けて、従来の自然体験活動とはべつに福祉的な目的をもつ旅行で伊豆大島を活用することができるかどうか、をいっしょに考えるための訪島でした。

白井さんは元ミス大島なので、島の観光関係の要職にあるみなさんをよくご存じ。
白井さんのご協力をいただきながら川嶋大島町長をはじめ、そうした方々への挨拶と説明をしてきました。

今回の打ち合わせで改めて感じたことは「大島は広い」ということ。
白井さんといえども、島の玄関口である北部での人脈はあるものの、そのほかはまだこれから、といいます。

1周で約30km強の伊豆大島は、島の玄関口である北部で隣接している岡田、北ノ山、元町エリアでさえそれぞれ独立しているように感じますし、西部、東部、南部はなおさら。
北部のほかは、観光目的ではさらりと素通りされることが多いエリアですが、素朴な風情を残していて、魅力があります。

また、観光で行くことはまずありえない入植目的で開拓された地域は、私もまだ未踏ゾーン。
三原山を中心にした山間部も、ごく一部が紹介されているにとどまります。

こうした地域の魅力を、傍目八目(おかめはちもく)で掘り下げることができるのではないかな、と思います。

もともと伊豆大島はひと昔前は大にぎわいしたところ。
そりゃそうですよね、首都圏から近く、南国情緒と独特の島文化があふれたエキゾチックな場所なのですから。
その頃のことを思い起こせば、島外からの訪問客がもっと増えてもおかしくない。

いまでも竹芝桟橋を夜に出航すれば、早朝に大島に着きます。
夜行列車がなくなりつつある今、首都圏から気軽で楽しい、そして貴重な夜行体験ができるうえ、着いたらすぐに島内をめぐることができる。

そこで伊豆大島に望むことは、ちょっとしたホスピタリティ。

たとえば。
汚れた貧乏くさい案内看板は島内全体で一括してきれいにする。
新調しなくても、きれいにすればいいのです。

早朝に着いた船から降りてきたひとたちがすぐに立ち寄れるお店があったり、すぐにひと汗流せるリーズナブルな入浴施設があったりするといいな。

せっかく日本ジオパークに認定されたのだから、学者さんが作った専門的なわっかりにくい看板や施設を見直して、明るくわかりやすく知的好奇心をそそる「現場」になってほしい。

大島発竹芝桟橋行きの客船の時間は、午後2時過ぎ。ちょっと早すぎる。
せめて午後4時くらいにすれば、たっぷり遊べる。
帰りの船内では、甲板にお店がでるといいな。
子どもたちは遠ざかる島を見ながら暖かいココアを飲んだり、あるいはソフトクリームをなめたり。
オトナは冷たいビールを飲んだり、お湯割りを飲んだり。
暮れ行く太平洋上でのそんな体験はそれだけでもウリになると思います。

伊豆大島はほんとうに底力がある場所。
島内の人たちが本気になれば、その魅力をもっともっと引き出すことができるでしょう。