蕗(ふき)を摘みながら散歩するご婦人(口永良部島にて)
林業、建築業と時代に翻弄されながらいまは民宿を営むおじさん(屋久島にて)
歩行距離約40km、累積登高約1900m、3300Kcalを消費する運動量でした。
驚くべきことには、たくさんのおじいさんやおばあさんが、自分と同じルートをきちんと制限時間以内に完歩しているのでした。
なかにはザックも背負わないで袋ひとつでプラプラと、まるで銭湯にでも行くような格好で歩いている方も。
こちらはというと、心拍数計をつけて、ハイドレーションパックを背負って水分の補給もぬかりなく、そして血糖値がいきなりあがらないような行動食を選ぶほか、汗が乾きやすくて温度管理がしやすい服を着て、と工夫を重ねているのに!
おじいさんやおばあさんは、まるで銭湯に行くか、裏庭に草むしりにでも行くようなライトな格好で完歩。
これって、カッコよすぎませんか??
いやあ、かなりカルチャーショックを受けましたね。
さすがにあの方たちがマラソンのような運動ができるか、というとわかりませんが、少なくとも決して楽とは思えない行程を、「さらりと」こなしている感じなんですから。
いったい、私たちとなにが違うんでしょうか?
想像できることは、若い頃にからだをきちんと動かしていて、その「貯金」がいまも効いていること。
また、いまもなお、普段の生活でからだを使っていること。
それぐらいしか、考えつかないんですが、昔のひとはからだが強いひとが多いですね。
関節にもかなりの負担が来たはずなのに、「柳に風」という感じです。
およそなにかに熟達したひとすべてに共通するといえますが、死にものぐるいの練習や鍛錬を積んできたという感じはないのです。
あ、でも昔はたぶん日々の生活こそが「死にものぐるい」だったんですね。
こうした方々の生活習慣や身体特性を調べれば、健康維持のための共通項があぶりだされるのではないでしょうか。
自分が知っている限りでは、からだが強い方は、手のひらの厚みがある方が多い。
これは、ハードな日々の労働がもたらした身体的な変化だと自分は感じています。
日々の生活でいまよりも少しからだを動かす習慣があれば、運動能力を高く保ちながら長生きできて、老いて病に苦しむという運命を自分でコントロールできるかも。
そう考えると、なんだか調べるべきものが目の前に提示されたようで、ひとりワクワクしてしまいました。
Black "Wonderful Life"