5/4は、友人らとともに静岡県の愛鷹山(あしたかやま)を歩いてきました。
愛鷹山って、あんまり知られていないかも。
カンタンに説明しますね。
愛鷹山は日本200名山のうちのひとつで、富士山の南東側にひとかたまりになっている山塊(さんかい)です。
愛鷹山という名の標高1188mの山があるものの、ふつうは八ヶ岳のように山域全体を愛鷹山と呼ぶようです。
この場合、愛鷹山の最高峰は越前岳・標高1504mとなります。
私たちが歩いたのは、この山塊の北側にある登山口から南下して、割石峠、鋸岳、愛鷹山を経て沼津に近い柳沢(やなぎさわ)のはずれまででした。
このコースの核心は、鋸岳の通過。
名のとおり、稜線上の小ピークをいくつも登ったり降りたりするきわどい登山道でした。
「転落して死んだ人もいるから歩くのは遠慮してください」という看板もありました。
じっさい、登山道はよくないです。
崩落と浸食が激しいのです。
高度感に慣れていない人や、最近バランスに自信がないという人は、くれぐれも気をつけて。
このコースで、こころに残ったのは、愛鷹山のやや北側にある平坦地「馬場平」でした。
ブナの巨木が生え、落ち葉が足にやさしく、一同「ここで泊まりたいなあ」なんていい合ったくらい、ステキなところでしたよ。
春富士がドカ〜ンと真正面に見える愛鷹山からの下り道は、あんまりよくない。
雨と歩行によるのでしょうか、浸食がひどく、早めに養生しないともっと悪くなりそう。
愛鷹山までの登山道は前日の雨の影響もなくカラッとしてましたが、一転して日も射さないじめっとした感じの道が続きました。
下りきった柳沢集落は沼津茶で生計を立てているお宅が多いようで、昔ながらの門構えをもった日本家屋が建ち並び、襟を正すような気持ちになりました。
ここですばらしかったのが茅葺きの赤野(あけの)観音堂。
「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」と名僧の名高い白隠禅師がまだ子どもの頃に原集落からこのお堂まで通ったといわれています。片道90分はゆうにあるでしょう。
観音堂は、周囲に残っている木々と相まってまさに日本の原風景でした。
子どもがいたら、この観音堂で遊ばせたい!と思うようなところです。
白隠さんを知ったのは、松濤美術館で禅画コレクションの展覧会を見たとき。
浅学だから遅いな(へりくだりでなく)。
確信犯的ヘタウマの絵と書に、一瞬にしてこころを鷲づかみにされました。
この衝撃は、幼少の頃、土偶をみたときと、彫刻刀のフタに印刷されていた円空仏をみたとき以来でしたね。
東海道線の原駅まで、あと1時間という距離まで下りてきたものの、折よく沼津行きのバスが来て、原駅には行かずじまい。
原駅周辺には、松蔭寺はじめ白隠さんゆかりの地がたくさんあるようです。
こんどは白隠さんのふるさと・原を、近いうちに旅の目的地としましょう。
Yes "It will be a good day"