世界的な火山学者であったモーリス・クラフト/カティア・クラフト夫妻。
1991年6月に起きた雲仙普賢岳の大火砕流で、取材中に命を落としました。
あれから、もう20年にもなるんですね。
彼らが撮影した写真は、恐ろしくも美しい火山の姿を伝える「火山からのメッセージ」(山と渓谷社刊)という写真集になっていますが、現在は廃刊でしょうか、入手できないようです。
こういう世界で生きたひとがいることを知る、そして、当たり前のことばでしか表せないのですが、自然のパワーを垣間みる機会として、「カティアとモーリス」をご案内します。
今夜10:00と明日16:30にそれぞれNHK・BSプレミアムで放送されます。
クリックするとNHKの案内ページが開きます。 |
ふたりのプロフィール、仕事内容などについて、物足りない感じを強く受けました。
NHKの上記イメージ写真も本編中の内容とはほとんど関係がなく、番組の大半は1991年6月3日の大火砕流に向けて秒読み状態の島原のみなさんのようすが中心でした。
それはそれでよいのですが、特段新しい情報があるわけでもありませんでしたし、題名との違和感が残念。
自然災害は、時間とともにどうも「美化」されることが多いような気がします。
犠牲になった方々に報いるためには、より客観的な反省と新しい情報を掘り出す姿勢がなによりも大切だと思います。
死者に鞭打つことを嫌うことは美徳です。
しかし、無念の死を招いた過失からも目を背けてしまうと、亡くなられた方の骸のうえにまた新たな骸を重ねることになりかねない。
それこそが、私たちが避けなくてはならない真の悲劇ではないでしょうか。