一歩一歩と進む。


この赤富士を描いたのは、「あーあーあーやんなちゃった」の牧伸二さん。
(たぶん、30歳以下の方は知らないかも。お父さんお母さんや、じいちゃんばあちゃんに聞いてみて。)

S.MAKIのサインも、残雪のところに引いてあるラインもそのへんの油性マジック(笑)。
びろびろびろーん、って感じ。
かようにしろうとっぽいのですが、見る者に富士山のでっかくて神々しいオーラに心うたれている感じはすごく伝わってきます。それがいちばん。
昔、駄菓子屋で食べたマスカットアイスのような色の空もきれい。

今日、原宿で偶然に牧伸二さんのライブを見ました。
見たあとに、とても元気になりました。

すっかりいいおじいちゃんなんだけれど、意外にクライミングでもやっているみたいな太い指していて、声も太い。
なによりもすばらしいと感じたのは、しゃべりの間合い。

しゃべるスピードとか、しゃべりとしゃべりの間が、ほんと絶妙。
こういう機会に出会うと、口からでる言葉にはちからがある、とつくづく思い知らされます。

とくに、最後に歌われた曲のなかに「こころとこころでありがとう」という節があるのですが、聴いていてじつに「ありがとう」の気持ちが伝わってきました。
ふだん当たり前のように使っている「ありがとう」の言葉にこれだけ情を込めることができるのか、と思わず打ちのめされました。
ホント、それだけで、今日、牧さんを見た甲斐がありました。

大衆芸能の世界で一世を風靡するという結果を出すために、ほんとに努力されたことだと思います。
だから、その話術にこころを鷲づかみにされるのでしょう。

まだまだ努力が足りない。もっと仕事を突き詰めていかなくては。
そう思い知らされました。

努力し続けるって厳しいことです。
創意工夫し続けようと思っても、どこかで息が切れてしまいそうになります。先が見えない遥かさにはじめから心折れそうになる。
しかし、たとえ愚直であっても、ああでもないこうでもない、とひねくり回しているうちに、ひとつひとつ実力がついてくるのでしょう。

ウィキペディアによると、牧さんは2002年に脳出血で療養とリハビリを余儀なくされ、復帰後の2003年に文化庁長官賞を受賞されました。
大きな病気のあとに、いままでどおりウクレレを弾き、歌い、こうした絵を描かれているのは、たいしたものです。
いつまでもお元気に長生きされてくださいね、牧さん♪