「買わせていただきありがとうございました。」

事務所の掛け時計が電池を替えても動かなくなったので、新調しました。

事務所があるのは、品川区のごく庶民的な商店街のそば。
「品川区」ときくと品川駅そばの臨海エリアを想像される方が多いようですが、ここはとても庶民的な街です。

条件は「リーズナブルな価格で、丸くて、軽くて、茶色くて、カチカチいわないスイープ運針の掛け時計」。
いままでここに住んでいて、一度も立ち寄ったことがない商店街のなかの小さな時計屋さんに、この条件に合う時計がありました。

おじいさんとおばあさんがふたりでやっているお店です。
店頭在庫をそのまま求めたせいか、ていねいに拭き上げたあと、電池を入れて時間調整をしてくれました。
箱は要りません、という私に「これはたいせつだから持っていって」と、保証書に型番と日付を書き入れて店名スタンプを押して渡してくださいました。

品物はプチプチの緩衝ビニールで包んで袋にいれてくださいました。
基本どおり、時間をかけてていねいなんです。
いい勉強をさせていただきました。

時計ってそんなに買うものではないんですが、またこのお店でお買い物したい。
購入した商品がおじいさんとおばあさんの手を経て、自分の手に渡ってくる時間を味わいたい、と思うのです。