自然のなかで生き物を捕るのには、いろんな理由があります。
そのなかで、個人的にいちばん理にかなっていると思えるのは「食うために捕ること」。
調べたいから、飼いたいから、という理由で生き物を捕ることももちろんあるでしょう。
そうした理由が子どもたちに寄与していることもたくさんあります。
でも、捕られて死んでいくものたちがいちばん「活きる」のは、食べられるためではないだろうか、と思うのです。
3人の小学生。
手に持ったのはカラッと揚がった素揚げの沢ガニ。
キャンプの朝早くから「沢ガニ見つけた! 食べられる?」
と聞かれました。
え? と我が耳を疑うと同時に頼もしく思えました。
昨今、捕った生き物を食べてみたいという子どもは意外に少ないからです。
もちろん、沢ガニ食べなくてもこれらの子どもたちは死にません。
でも、捕ったものを食べるという発想は野性的で好感がもてました。
サッと熱湯にとおして雑味をとった沢ガニを、すかさず油で揚げました。
私も、もげたカニの手を「お裾分け」していただけましたが、小指のつま先の半分ほどの大きさであるにもかかわらず、カニの上品な香りがしました。
ひとりに1匹くらいの量でしたが「うめえ、うめえ!」の連呼でした。
過去の沢歩きをした参加者のなかで沢ガニを食うという発想を実現したのははじめてです。
日本料理などでは意外に食べられる食材なので、みなさんも機会があればぜひ。
次には「ヘビを食いたい」という発想がでてこないか、少し心配しています(笑)。