雨中の「奥多摩ナイトハイク」無事終了しました。

雨にぬれたフロントガラスに、対抗の車両のヘッドライトが映える。
往路のケーブルカーにて。
雨のなかの読図はまず「地図を取り出す」だけでもエラい!
現在地確認できた君は、さらにエラい!
霧に覆われた日の出山山頂はヘッドライトの光がライトセーバーのよう。
10/19夕から20日午前中にかけて、奥多摩でのナイトハイクが無事終了しました。
18名様のお申込がありましたが、小雨に見舞われるおそれがあるので19日朝にご意向確認をしたところ体調不良をご懸念された2組5名様がキャンセルし、ご参加者13名様(うち6歳から13歳までのお子さん7名様)、スタッフ3名あわせて16名での実施でした。
それにしても、13名の方々は、よくいらっしゃいました。
ずっと雨のなかを歩くと思っていた方は、おそらくいなかったでしょう。

御嶽駅で集合したときにはまだ降っていませんでしたが、バスを降りる頃からは雨が降り出しました。御岳山へ登るケーブルカーに乗る前に雨支度をしっかり整え、下車後は手早く日暮れた山中へ。そぼふる雨に打たれて細い山道をたどりました。

野外塾では、こうした活動では参加者のみなさんに先頭をローテーションで歩いていただいています。この日もみなさんそれぞれの不安と向き合いながら先頭を歩いていただきました。
「連れられて歩く」のと、「先頭を歩く」のでは、体験密度がまったく違います。雨で視界が妨げられるなかで後ろに他の人たちを控えて先頭を歩くのはプレッシャーがかかるもの。一本道でもこの道でいいのか、という疑心暗鬼に襲われますが、そういう不安を体験することこそがたいせつ。つねに「疑心暗鬼センサー」を働かせることにつながるからです。

調理に強い意欲をみせてくれる男の子たち。
とても頼もしい!
山小屋の2階は女の子たちのくつろぎの場。
質素だけれどしっかりおいしく食べられる食事が野外塾の希望です。
小屋では小屋番さんが、ストーブを焚いて待っていてくださいました。
さっそくストーブと熱湯が入った鉄瓶の恩恵に浴して寛ろぐみなさんの顔に、緊張がとれた笑顔が戻りました。
山小屋って、こういうときがいちばんステキな時間だと自分は思います。

夕食作りは、何度もナイトハイクにご参加いただいている親子さんがいちばんに準備を始めてくださいました。それがなんともまた自然なんです。
子どもたちも熱いココアを飲み終えると元気を取り戻して、夕食作りにすごい意欲を示してくれて、大助かり。
この日の夕食はハッシュドビーフと水菜のサラダ。
シンプルですが、材料をしっかりと選んでいるので喜んでいただけました。

寝室から朝一番で下りてきて薪をくべる男の子。
彼の遺伝子のなかにある「男」を感じました。 
急遽お願いしたサポートを快く受けてくれた小倉さん。
ありがとうございました!
いつもながら、ていねいなドリップがみなさんに大好評でした。
このコースでいちばん自分が好きな曲がり角で撮った写真。
左カーブを大きく曲がって進む参加者のみなさん。お疲れさまでした。
翌朝は未明から本降りの雨。
5時過ぎからストーブ番をする男の子は、薄明のなかでもう何年もその役割をやっている一人前のように見えます。
彼がくべた薪が燃え、暖気がみんなが寝ている2階にも広がる頃、みなさん三々五々に1階に降りてきました。
朝に粉から練って焼いたピタのようなパン、スープ、チリコンカンとオムレツの朝食をととったあとは、つるつる温泉へと下るコースを変えて往路をそのまま御嶽へと下りることにしました。
天気予報が当初の午前中に1mm/時の降雨という予報から、夕方まで最大7mm/時という本降りの予報に悪化したためです。

終始雨にたたられた山行でしたが、「雨合羽を着て山を歩いたのがはじめてだったのでよかった」とか、「行きに真っ暗闇のなかを歩いた道を、明るくなってから歩くとこんな感じなのかと復習できてよかった」というご意見があって、主催者としては「なるほどなあ」と新しい発見をできました。みなさん、逞(たくま)しいものですね。

よく感じることは、いまのひとたちは決して「ひ弱」なのではなく、「チャレンジできる場が少ない」のではないか、ということです。
雨のなかを雨具で歩く山歩きも、ふつうならば経験しないことかもしれません。
しかし、事前のリスク説明で「雨が降るなかを歩くかもしれません」という話を受けて参加してくださったみなさんにとっては、心構えができたチャレンジだったのでしょう。

小さなチャレンジの積み重ねは、いつか必ず自分自身を信じる心の拠り所になります。
知らず知らずのうちに、ご自身の心身のキャパシティを広げることになるからです。

後日参加してくださった中学生の女の子と小3の女の子のお母様からメールをいただきました。
今回のナイトハイクは初めてのかなりの雨で、色々大変でしたが良い経験になりました。
毎回美味しいご飯もいつも楽しみにしています(*^^*)
次の春で綺麗な星と朝日を見にリベンジしたいと思います。




台風のあとというのもあり、ナイトハイクは中止になるだろうなと思っていたので、ご連絡をいただいたとき少し意外でしたが、雨の山というのを体験できるチャンスもそうないな、と思って参加することにしました。
やはりあの雨体験はよかったです。
雨はやだな、晴れがよかったな、という気持ちを一切払拭するほど、雨の山はよかったし、
それも含めて何より全部の体験が新鮮で楽しかったです。
海老澤さんのコメントにもありましたとおり、沢山の体験を通して、自分の幅が広がると実感しました。

こういう風に感じる事が出来るのも、野外塾のスタッフさんや山小屋の管理の皆さんの下準備や色んな気遣いのおかげだと感謝しています。
それに一緒に過ごした皆さんも皆んなステキで気持ちのよい方々でした!
 

ご参加いただいたみなさま、そして快くサポートを引き受けてくださったボランティアスタッフの方に心から感謝申し上げます。