出典:http://www.desktopaper.com/unusual-hippie-volkswagen/ フリーウォールペーパーです。 |
1960年代後半、アメリカから徐々にアウトドア用品が日本に入ってきた頃と前後して、ベトナム戦争と表裏一体のヒッピー文化が日本に入ってきました。
(この頃、アメリカ軍の放出品は秋葉原で売っていたのですが、アウトドアで平和的に用いることに特化した用品はドイツ製やフランス製が主流ななかで、アメリカからの用品は発想が斬新で衝撃的でした。)
文化の背景について考えたとき、ヒッピー文化はスマイルマークのようにハッピーそのものではないんだけれど、今なお自分はその頃に大学生くらいだったらよかったのになー、と思うくらい、ヒッピー文化のまっただなかにいたかったなぁ、と思う気持ちがあるのは確かです。
中学生頃だったでしょうか、夏休みの昼下がりのテレビで放送していた「いちご白書」。
テーマソング「Circle Game」は、催涙ガスを打ち込まれて引きずり出される学生たちのようすとともに、よく理解できないながら子ども心に突き刺さりました。
アウトドアとそんな時代に、いったいどんな関係があるのでしょうか。
アウトドアという言葉もこの頃にはじめて知りました。
アウトドアは従来の海・山・川・自然といった呼び方を一気に飛び越え、開放的なイメージで自分のこころに飛び込んできました。
それは革命的な発想の転換で、たとえばの話、おばあさんが買物車を押して歩く田舎道はそれまでの自分ならば陰気な日本的風景だと判断してしまいがち。
しかしアウトドアという「発想」を知ったあとには、同じおばあさんと買物車と田舎道を「やあ!」という明るい気持ちでとらえることができるくらいだったのです。
当時はまだ東西問題(地球の西側にある「善なる」資本主義の国々と東側にある「悪の」共産主義の国々の対立、実際にはアメリカとソビエトの勢力争い)がコドモゴコロにも暗ーい影を落としていて、人類を滅ぼす核戦争がホントにあるかもしれない、って思っていたほど落ち着かない時代。
その時代にアウトドアという発想はおおきな救いになりました。
高校時代には、新しい発想でつぎつぎと市場に出始めた合理的でステキな装備をパックに詰め込んで、見知らぬ土地を歩き回る自由さにあこがれたものです。(実際にはでっかいキスリングにひと時代前の重ーい装備を詰め込んでヘトヘトになって歩いていたものでしたが。)
そんなひと昔前、フリーセックスやドラッグと切り離すことができないルーズなイメージも伴ったヒッピー文化でしたが、ルーズなようでいて破滅的ではなく、シンプルで持続型な生活指向、明るさとともにどこかに影がある感じは、自分にとっては超無責任な現実逃避、「エスケープ」への誘いでした。
しかし、いつもジョーシキの枠を脱しきれないありきたりの自分は、たとえ60年代後半に折よく大学生であったとしても、おそらくヒッピーにはなれずにいたことでしょう。
そんなわけで、風来坊のヒッピー的生活は私にとって永遠に遠くあこがれの対象なんです。
そうそう、11月第1週に実施する「はじめてのキャンプ」も、ヒッピーのよい一面である「シンプルで持続型な生活指向」を探る活動です。ご興味ある方は、ぜひ。
Buffy Sainte-Marie "Circle Game"