「はじめてのキャンプ」無事終了!

意外に苦戦したテント立て。
重い水運びも大切。
石組みかまどと……
枯れ木をそのまま使うかまどをそれぞれ体験。
ごはんが炊けるまではスラックライン。
20分後には芯がない真っ白なご飯が炊けました。
おかずは村の人からいただいたナメコとクリタケも入った豚汁と
丹波山名物のニジマス。
小2の男の子も女の子もはらわた抜き。
たき火は何時間でもひとをなごませてくれます。
前夜の雨もあがってひと安心の朝。
雨上がりのたき火にあたりながらフレンチトーストの朝食。
不必要なものはなんにもないからこそステキな丹波山村。
また来るときまでバイバイ。
先週末の11/3(日)から4(祝)で、「はじめてのキャンプ」が4名のご参加者(うち2名が小学生)と2名のスタッフあわせて6名で無事終了しました。

12名のお申込がありましたが、お母さんのご懐妊がわかったり、所用ができたり、当日にご体調が悪くなったりで3家族8名様がキャンセル。こんなこともあるんですねぇ。
実際、おおいに気をもみましたが、地球野外塾の活動に何度もご参加いただいている2家族4名様が元気に朝早くから奥多摩駅に集合してくださいました。

この活動は、名作絵本「はじめてのキャンプ」(福音館書店刊)の内容に沿って、ひと昔前のシンプルで道具に頼らないキャンプを体験することを目的としました。
ただし、絵本と違ってテントはご家族ごとにしました。
はじめてのキャンプで、お父さんお母さんといっしょにひとつのテントに寝る、ってステキだと思ったからです。
あとは薪を集めてたき火でご飯を炊いたり、夜に火を囲んで語ったりするのはおんなじ。
あ、もう少し絵本と違うところがありました。
テントのなかでの怖い話はなし。
それから寒い時期なのでスイカは食べませんでした(笑)。
その代わり、子どもたち自身にニジマスをさばいてもらってムニエルを作りました。

紅葉がはじまった奥多摩は、たき火のありがたさを体感するのには最適でした。
夜遅くになると雨がぱらつきました。
薪集めをしてそれを燃やすことを認めてくれるいまどきめずらしいキャンプ場の管理人さんのおかげで、盛大なたき火ではないけれど力強いたき火にあたると、ぽつぽつ雨くらいならへいちゃらです。
子どもたちがふだん寝る時間を過ぎたので、真っ赤な熾き火を残したままテントに入りました。
夜半には、本降りの雨がテントのうえを叩きました。
しかし、しっかり張ったテントのなかで寝袋にくるまっていれば安心感があります。
きっと、それぞれのテントでお父さん、お母さんとそれぞれのお子さんが同じように「はじめてのテントではじめての雨」を寝床で聞いているのかもしれません。
いえ、じつはよーく寝ていて、雨のことは気にならなかったようです。大物ですね。

翌朝は、夜の雨があがって青空さえ見えました。
一夜の冷え込みであたりの紅葉が進み、ネズミ色の雨雲が晴れゆくそのうえに赤色黄色のコントラストが美しい山の稜線がみえると「わー!」という歓声があがりました。
前夜の埋め火を掻き熾して杉の枯れ枝を投入するとまたすぐに火がおきて、私たちは難なく暖かいたき火にあたることができました。

シンプルなキャンプでは、なにを重視するかによって時間配分が変わってきます。
今回は、テントをたてることと、火をきちんとつけることと、食べることをもっとも重視しました。
テントをきちんと立てたあとには、たき火を確実に焚いて鍋でご飯を炊く。
それができれば、あとはたき火をバーナーに代えることも、ご飯を炊くことをやめてフリーズドライにすることも、判断次第ですればいいのです。
でも、たき火も焚けない、ご飯も炊けない、ではバーナーやフリーズドライといった便利なものに頼るほかはありません。
それでは、道具の奴隷になってしまう恐れがあります。

私たちがキャンプで得られることのひとつに「自由」があります。
シンプルな道具だけを用いることで、ブラックボックスのような道具から解放されて、真に必要なものを選び、使いこなすことができるのです。
テクニックと知識の獲得とともに、選択の自由を勝ち取るアウトドア体験を、これからも提案していきますね。