2007年5月・世界文化遺産の熊野古道中辺路にて。 小4くらいからの子どもたちがよく歩いてくれましたが、さすがに疲れたようです。 このあと、さらに10kmくらい歩いたんです。 |
とくにこんな時期は、寒さに順応していた「冬カラダ」から暑さに順応すべき「夏カラダ」に変わろうとしているのに、曇ったり雨が降ったりするとまたまた冷えてバランスが崩れるのでオトナでも注意が必要。
自然のなかで遊ぶことに慣れていないお子さんならば、なおさらですね。
子どもたちは全力で遊ぶから、あとで急激な「電池切れ」を起こすことがあります。
子どもたちが疲れてきたときのサインはいくつかあげられます。
幼児から小学生高学年くらいまでは、多かれ少なかれ、みんなこんな傾向があります。
・無口になる
・「お腹が減った」という
・歩くスピードが急に遅くなる
・寄り道が急に多くなる
・何度も靴ひもがほどけたり、ザックの違和感を訴えたりする
・どこかを痛がる
・ベソをかく/むずかる
などです。
もっと疲れてくると
・もうろうとして歩いている
・すべての行動がずさんになる
・暴言を吐いたりする
などで、相当に危険な状態です。
もっと疲れてくると、幻覚などの意識障害がでます。
こうなったら、病院に連れて行かなくてはなりません。
こうしたサインに気がついたら
- ビシッと1回休憩し、そのあとはビシッと歩いてエスケープすることを優先的に考える。
- 休憩時に保温あるいは冷却したり、飲食させるなどしてできるだけコンディションを回復させる。
- すぐにエスケープできないときはゲームをもちかけたりして気分転換をさせながら、なんとかエスケープできるところまでたどり着く。
子連れの場合、エスケープのことはつねに念頭に置く必要があります。
小さな子どもを連れているときはなおさら注意が必要です。
山中でエスケープにどうしても時間がかかる場合は、エスケープできるところまでのモチベーションをあげるため、過去の実例では次のような方法が意外によく効きました。
しりとり → 小さな子どもはこれがいちばん好きかな。とにかく夢中になって疲れを忘れるようです。欠点はオトナが非常に疲れること(笑)。
石蹴り → 林道など単調な長いところでは同じ石を交代交代に蹴りながら進む。意外に疲れを忘れてやってくれる。でも夢中になりすぎて林道での交通事故や転落に注意。
電車ごっこ → ダブルストックの先をそれぞれしっかりもたせてオトナが後ろになっていっしょに歩く。絶対転倒が許されない場所では転倒予防にもなります。
要は「疲れを紛らわさせる」のですね。
でも、引率者はこうして子どもの気を紛らわせながらもつねにエスケープのことを考えておきましょう。
エスケープできるところに来たら「ひょっとしたらまだいけるかも?」という判断がたとえ頭の片隅をよぎっても「いまが最後のエスケープチャンス」と大事をとって考えるほうが安全です。
また来ればいいんです。
エスケープできるところまで歩いてくれたことだけでも、すっごいチャレンジだったんですから。