便利な結び・クローブヒッチを反復応用した「クラフトデイキャンプ」無事終了。


携帯しやすいマルチツール…
用途に合う最適ツールは瞬時に選び出したい。
マルチツールはシンプルな構成で
本当に使いやすいものを求めよう。
結びを活用する機会、日常から激減していますね。
風呂敷がバッグに代わり、紐や結びはさまざまなワンタッチファスナーに代わり、和服が洋服に凌駕されたのは…
「結ぶのがめんどう」
という結びの短所が多くの人に嫌われた必然なのかもしれません。

しかし、農林水産業・医療などの産業や、釣り、クライミング、ヨットなどのレジャー・スポーツ分野では
「この結び方なくしては成り立たない」
という結び方をいまなお活用します。

そうした結び方のなかでも、私たちがサポートする自然体験において、クローブヒッチはもっとも応用が効き、覚えておくと便利な結びの代表格。

11/10(日)に実施したクラフトデイキャンプは、このクローブヒッチの存在を知っていただき、活用できるように覚えていただき、ほかにも「こんな風に使えそうだな…」という想像ができるような内容で企画しました。
本活動は、生協の生活クラブ東京さんとの共催で、準備から実施まで親身にご協力いただけたなか、2家族4名のご参加者(うち2名が小学生男子)と1名のスタッフあわせて5名で無事終了しました。

この日の課題は…
「マルチツールとクローブヒッチを活用して、野外でイスとトライポッドを作る」。
マルチツールは、子供が入手しやすい価格で、実際に使い倒せる「安価ながら実用に耐える」製品を用意しました。
小4君と小6君は、午前からはじめて昼食をはさみ、午後までさまざまに試行錯誤しながら、しっかり課題を達成しました。

いまや、かゆいところに手がとどく、さまざまなキャンプ用品が市場で入手できます。
そうしたなんでもありのキャンプに相反する動きとしてブッシュクラフトがあります。
しかし、そのブッシュクラフトさえ
「これだけは揃えたい道具」
というように、道具ありきで語られている場面もたくさん見受けられます。

「もっと少ない道具で野に出て、工夫しながらニーズを満たすことができないのだろうか?」
そう思いながら、この活動と、当日の課題を作りました。

道具はどんなものでも重量があります。
いっぽう、知恵に重量はないので、応用可能な知恵を身につけていれば、自然のなかでとても役立ちます。
いまアウトドアでひとつの潮流になっているウルトラライト、道具の重量を減らすと同時に知恵を増やすのが1番の秘訣。
しかし、「単に知っている」知恵だけでは役立たないことがほとんど。
知ったことを基に、実際にニーズを満たそうと試み、その最中の試行錯誤の体験が「生きた知恵」になります。
試行錯誤に時間をかけて作った3脚イスに座り、子供たちだけで作り上げたトライポッドで米が炊きあがるのを待つ小6君。やり遂げたひとが見せる、いい顔してると思います。

クローブヒッチは結べば命を預けられるほど信頼できる結束力をもち、使い終わればかんたんにほどくことができますから、クローブヒッチを多用して作ったクラフトは、役割を終えたら部材を元通りにして、再利用するのも簡単です。
慣れてくれば、なにかを作るためにたくさんのゴミを出す、という弊害を最小限にして、限られた道具と部材でキャンプを継続することができるのがいいですね。

この秋、関東に住む私たちは台風と大雨で大きな被害を目の当たりにしました。
地球温暖化が、待ったなしの局面に差しかかりつつあると感じました。
なんでも所有して使い終わったら廃棄する、という習慣に疑問をもって、あるものを使い回しするという市民ひとりひとりの発想転換も温暖化の減速につながると考えますので、来年も「使い回しで廃棄を少なく」「あるものだけで勝負」「人力でやってみる」のコンセプトを取り入れたローインパクトな自然体験をご提案し続けます。

ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

この日のようすをチラ見 → こちら